県連会長表彰状伝達式 記念講演
演題:プロ野球監督に学ぶ 強い組織をつくるノウハウ
講師:スポーツジャーナリスト・元日刊スポーツ新聞社編集委員
野崎 靖博 氏
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野球は筋書きのないドラマといわれている。私は、野球を語れば人生を語れる。野球を語れば社会を語れる。野球を語れば時代を語れると確信している。 今日はプロ野球の監督というポストに焦点をあて、日々プロ野球の監督とはいったいどのように選手を育て、選手を使う、そしてどうやって戦っているのか? 有能な監督とはどんな監督なのか? 強い組織を作るためにいったい監督は日々どのようなことをやっているのかな?そのプロ野球のリーダーである監督を語ることによって、まあ色々な社会において「リーダーとはどうあるべきだ」と言われておりますが、その一つを語ることになるのではないかと私は思っております。プロ野球の監督を通してリーダー論をお話しさせていただきたいと思います。 |
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◆優秀な監督の条件優秀な監督がチームを率いていけば、必ずそのチームは強くなります。しかしながら駄目な監督が率いたらどんな優秀な選手を集めても、なかなか勝てません。これが野球の面白いところです。 1.ビジョンを持ってそれを選手に浸透させる 一つはビジョンを持って戦っているかどうかです。たかが野球、されど野球という言葉がありますが、わずか100人位の軍団のリーダーでも、しっかりとしたビジョンを持って戦う監督とビジョンなき戦いをする監督との差は歴然です。 2.選手の能力を見極める目 一チーム70人とはいえ年代差もある、一人ひとりの体力、技術も違う。そして過去のキャリアも皆それぞれ違う。国籍も違う、たった一つ共通しているのは野球をするという技術を認められて球団と契約をしているということです。 3.若手や埋もれた人材の育成 つまり渡辺監督はこういっています。「一つのチームを変えるには中途半端な指導しても何も変わらない、思いきって行かなければ変わらない」その通りだと思いますよ。それを貫いたのは43歳にしては立派です。そしてスター監督ではない、渡辺がやった。それは何故かというと、ヤクルトで野村さんのアイデア野球「ああ野球ってこんな考え方もあるのか」あるいは台湾球界に行って言葉もわからない、そういう力のない無名の選手たちに「どうやって教えれば理解してくれるかなあ」必死になって人を教えるとは何だということを、のた打ち回って身につけた。西武の二軍コーチや二軍監督をやって、二軍で埋もれた人材がいるのに、その人材を「どうして使ってくれないのかなあ、俺が監督になったら70人の選手一人ひとりをじっくりと見て、人材育成の原点、心をこめて選手を必死に見て、その中の長所や個性を引き上げよう」こういう思いで彼は戦ってきた訳ですね。立派にこの三つを彼は成し遂げたといってもいいでしょう。あっぱれです! |